雑誌を作りたい

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2012年にマーケティング会社を退職してから、ふらふら一人で仕事をしたり、人と仕事をしたりしてきた。何となく「ライター/編集者」という職業カテゴリに落ち着き、そして2015年4月からはNPO法人の正職員として働きながら、ライター/編集者の仕事も続けている。

そもそも、NPOでもWebや会報誌の編集・執筆をしているから、割りと自分の職域は守っていると勝手に思っている。まあNPO法人や市民活動、地域活動の相談にのる仕事ではあるが、とは言え団体が良くなるようなストーリーを作るのは、物語を作るような取材、執筆、編集のスキルに、実は近いものがある。

 

さて、そんなこんなでいろいろと手を出しながら、仕事や地域活動、市民活動をしているのだが、どうもいろいろととっ散らかって来たような気がする。実際、仕事を頼まれると、「やった頼られている!評価されている」と、めちゃくちゃ承認欲求を満たされて、何となく何でも「やります!」と引き受けている。もちろん、「一度断ったらもう二度と仕事もらえないのではないか?」という恐怖もある。まあ殆どの場合、仕事を頼まれた時には嬉しくて、天にも昇る気持ちで、まわりに自慢したくてしかたがない。しかし、実際にやり始めたり、冷静になると「あれ?俺なんでこんな仕事を引き受けているんだろう?」と、やりきれない気持ちになる事も多い。あとは、ついつい「こうしたほうがいいじゃん!」と思う案件を目にすると、改善案を提案したくなってしまうクセも良くない。特に行政系にいろいろ突撃しそうになった(している)のは、今では反省している。

 

「やりたいこと」と「できること」は違う。

さらに「求められていること」も違う。

さらにさらに「金になること」も違う。

この4つを一度に達成できることなど人生にはそうそう出会い得ないと思うが、バランスを取るくらいはしたいなぁと思う。

 

例えば私が運営しているウェブマガジン「にいがたレポ」は、「できること」と「求められていること」だと思っている。けれど、「すげーやりたい!」というわけでも、「金になる」わけでもない。

ライターの仕事として他媒体で書くのも「できること」「求められていること」「金になること」ではあっても、「やりたいこと」かと聞かれると案件によってかなり違ってくる。

行政がやっていることに口を出したくなるのも、どちらかと言うと「できること」「求められていること」だ。しかし、やりたい?金になる?と聞かれると疑問だ。

まきどき村という週末農業とごはん作りの会は「やりたいこと」でもあり「できること」だけど、求められてもいないし、金にもならない。

NPOの仕事は実は結構、やりたい、できる、求められている、金になるを達成している。けれど、まぁ組織の中に居る以上、やりたいことができなかったり、やりたくないことをやらなければいけなかったりもする。

 

で、結局「何がやりたかったの?」という話なんだが、自分でも一体何をしたかったのか正直良くわからなかった。

 

やりたいを実現している人として尊敬している新潟インタビューマガジンLIFE-mag.の小林さんと出会ったのは2011年頃のことだと思う。一人で雑誌を作るなんてすごい!と思う一方で、私がそこまで伝えたいものがあるのか?と自分に問うと、当時は特になかった。それよりも、世の中の流れや、テクノロジーの発達、社会問題などを総合的にみると「こうすればいいのに」という、社会システムやビジネスモデルの改善案を考えるほうが多かった。「こうすればいいのに」は、そもそも自分のやりたいこととは違う。しかし、「こうすればいいのに」を相手に提案して改善プランを組むのはすごく楽しかった。で、結局いろいろなところで「どうすればいいですかね?」という話があると「こうすればいいですよ!私できますよ!」といろいろ首を突っ込んできた結果が現在ということだろう。

 

あれ?前半と同じ話を書いているような気がするが、途中まで書いた下書きを数日後の今加筆しているのでくどい内容になってしまっているな……。

 

さて、30代になり、いろいろな人とつながり、いろいろな取り組みを見て、だんだん自分のやりたいが整理されてきたように思う。好きな人、嫌いな人。好きなこと、嫌いなこと。今までの出会いや経験を分類していくと、自ずと「こうすればいいのに」が重なりあい、「こういう世界観が好き」という一つの世界観ができてきた。所謂、唐澤頼充の世界。そして、この世界観全体を表現したいと思うようになってきた。

もちろん今までも自分の良しとするものを伝えようと、ブログを書いたり、メディアを作ったり、他の媒体で表現してきた。しかし、それはバラバラであったし、どれも一人でやろうとしていた気がする。

今、やりたいのは雑誌を作ることだ。

今まで私が良いと思ってきた世界観を一つにまとめること。

そして、それを一人ではなく人の力をたくさん借りてやること。

自分のライター/編集者の職能を活かしてできること。

いろいろ考えた結果、2月終わり頃に突然「自分の雑誌を作りたい」と思ってしまった。

そして、それがストン。と心に落ち、そして頭から離れなくなった。

春が近づいているせいだろうか?私はこの時期によくハイになる。まるで発情期のねこのようにわーーーーっ!とテンションが上がって、万能感に満ち溢れ、やりたいことがむくむくと出てくるのだ。そういえば前の会社を辞める決断をしたのもこんな時期だったな……。

 

なので、あんまり確実性はないが、とにかく今の私は「あー。雑誌作りたい」と興奮し続けているのだ。この気持ちが一時的なものでなかったら、今年中には何か雑誌を発行したいと思っている。

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