民衆が独裁を選んだとき、民主主義はどうなる?by銀河英雄伝説

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「銀河英雄伝説」という作品にハマっていて、最近アニメ本編110話と外伝を幾つか見終わった。
http://www.ginei.jp/

宇宙を舞台に腐敗した専制政治国家と、腐敗した民主主義国家が150年以上戦争しているって話なんだけど、政治や策謀の話が多くて面白い。

数々の名言、教訓が散りばめられた大人こそ見て欲しい作品ですが、
その中で今日のニュースは
民主国家側の主人公ヤン・ウェンリー陣営でかわされる
「民衆の大多数が、民主主義ではなく独裁を選んだとしたら、そのパラドックスをどう整合させるか」というやり取りを思い起こさざるを得ない。

これは、先に書いた「腐敗した専制国家」がもう一人の主人公ラインハルトという善政をする最高の独裁者の登場により「腐敗した民主政治と、清潔な独裁政治のどちらをとるかという最も解答困難な命題を突きつけられている」作品内の状況を表したやり取りだ。

今日、アメリカで起こったことは何か。
今、世界で起こっていることは何か。

銀河英雄伝説の原作小説の中にはこのような文章がある
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人間の心に二面性が存在する以上、民主主義と専制・独裁政治も時空軸上に並存する。どれほど民主政治が隆盛を誇っているかのような時代でも、専制政治を望む人々はいた。他者を支配する欲望によるものだけではなく、他者から支配され服従することを望む人がいたのだ。そのほうが楽なのだ。してもよいこと、やってはいけないことを教えてもらい、指導と命令に服従していれば、手のとどく範囲で安定と幸福を与えてもらえる。それで満足する生きかたもあるだろう。
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ヒトラーは民主主義の中から生まれた。
トランプがどうかは知らないが、民主主義そのものが専制を生むことがある仕組みであることは論理的にそうだし、歴史も証明している。

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まったく、専制とは、変革をすすめるにあたって効率的きわまりない体制なのである。民主主義の迂遠さにあきれた民衆は、いつも言うではないか。 「偉大な政治家に強大な権限を与えて改革を推進させろ!」と。逆説的だが民衆はいつだって専制者を求めていたのではないか。
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強いリーダーを望む姿勢を否定することはできない。人間の性のようなものだと思う。民主主義は万能ではないし、民主主義は数の暴力でもある。

ともかく世界一の国家で、これまでと異なる選択がされた。世界はこの先どう動くのか、私はこの先どうするのか、じっくりゆっくり考えたい。

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