【今日どう?通信】「知っている」と「わかっている」の違い

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※ながおか市民協働センターに寄せたコラムを転載します。

「それって○○ってことでしょ?」

「知ってる知ってる~」

 

情報化社会と言われる最近は、インターネットやテレビや何やらで「知識」を手に入れることは簡単になってきました。「ああすればこうなる」「こういう原因でああなる」という知識を持っていると、何となく何でもできる気になってくるものです。

 

しかし、「知る」と「わかる」の間には大きな違いがあります。

 

というのも、

私、唐澤は現在2ヶ月の子どもの新米パパでございます。

初めての子ども、初めての育児。もともと、本を読んだり、勉強するのが好きなタイプなので、生まれる前からも生まれてからも「こういう時はこうしよう!」という情報を調べまくっています。

知識はいっぱい蓄えている。でも、いざその時が来ると、「む、む、むずかしい~~」ってなるんですよね。お風呂の入れ方も、おむつの替え方も、「わかってはいるけれど…」なかなかすぐにはうまくできません。でも何回かやっていると「あっわかった!」という瞬間があります。そんなときに「知るのとわかるってのは全然違う!」と、思い知らされるわけです。

 

ただ知識として「知っている」のと

経験をともない「わかっている」のとでは、

やっぱりいろいろ違います。

 

会社で「夜寝なくて大変なんですよー…」と寝不足で頭が回らない言い訳をしても、

「そうだよね!わかるよー」という子育ての先輩たちと、

「そうなんですね!大変ですよねー」という若手たち。

この反応も、赤ちゃんはなかなか夜寝ないのを一般論として「知っている」若手と、経験から「わかっている」子育ての先輩たちとで、なんとなく差がでます。

 

さて、今回は何が言いたいのかというと、

「ちゃんと、いろいろわかるようにならなきゃいけないよね!」という話ではありません。

世の中には「知っている人」と「わかっている人」とのギャップというものがいっぱいあるということです。

子育てはもちろんですが、若者と年配者、地域の人と外から来た人、会社員と公務員、先輩ボランティアと、新人ボランティア。お互いの立場、状況、考え方の違いから「ぜんぜんわかってないなぁー!」なんて、思ってしまう事、多いですよね?

地域づくりでも、無邪気な学生インターンが「こういうの流行っているんですけどどうですか??」という提案をすると、地元の人が「うーん。(この地域のことが)わかってねぇなあ~」なんて。そんなシーン、何となく想像できますよね?

 

で、この「知っている人」と「わかっている人」とのギャップは、絶対になくなりません。なぜならば社会には常に一年生が生まれ続けているからです。それに、全部わかろうと思っても時間が足りないから。みなさんも、自分が知っているだけで、わかっていない分野はたくさんあると思います。なので、お互いの立場の人たちが謙虚になり、尊重し合って協働していくしか方法はないのではないでしょうか。

「知っている」だけの人は、自分がチャレンジャーだと自覚しながら経験を積むこと。

「わかっている」人は、知っている人がわかるまでの経験を積むのを、口を出したいのをぐっとこらえて暖かく見守ること。ついつい「わかる」と、それが自分の中で「当たり前」になってしまい、周りに同じことを要求しがちです。自転車のこぎ方は誰もが分かっているけれど、乗れるようになるのは時間がかかりますし、たくさんの失敗が必要。暖かく見守りましょう。

 

協働は、みんながそれぞれ違うままに、一緒に手を取り合って何か生み出すことです。みんなが違うことを前提にして、「知らない人」も「知っている人」も「わかっている人」も手を取りあっていける寛容さが社会にあるといいですね。

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