これから、初めて田舎で暮らします。「消費関係」から「人間関係」の中へ

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ふと振り返ると、実は引っ越しの多い人生を歩んできた。

私は長野県伊那市に生まれ高校を卒業する18歳までは実家に住んでいた。大学生になり新潟市に来て、大学の近くでアパート暮らしを初めた。新潟と伊那市は隣の県とは言え自動車で向かうと300km以上も離れているので、気軽に行ける場所ではない。なので、引っ越しは大学生協の紹介する冊子を見て、かなり適当に決めた。住宅地図には道路の起伏はないので、住みやすい立地かの判断はつかない。今でこそGoogleストリートビューがあるが、2004年当時はこれから住む街の視覚情報は全くと行っていいほど入手できなかった。そうして選んだアパートは、南向きの窓の目の前には急勾配の林が広がっていて日当たりは悪く、林からでかい虫達が迫ってくる環境だった。家に帰るとでかい蜘蛛が室内に巣を作っている状況に耐えられず、1年半で引っ越した。

2008年に大学を卒業すると新潟市の会社に就職。なるべく会社の近くに住もうと引っ越し。その2年後に当時付き合っていた彼女と同棲することになり引っ越し。その彼女と別れ、2012年に引っ越し。そして、2015年に結婚を機に燕市に引っ越して現在に至る。実家を入れれば、7箇所に住んだことになる。成人してからは2年に1回だ。度重なる引っ越しが、貯金額に影響しているのは間違いない。

そして、この11月に2年半ぶり7回目の引っ越しをすることになった。これで住まいは8箇所目だ。

引越し先は新潟市西蒲区の福井という名前の地区。2014年から畑と朝ごはんの会「まきどき村」でお世話になり、通い続けていた集落だ。妻との結婚式もこの集落の神社と古民家で開かせてもらった縁のある土地。

実は、人生で初めて「田舎」に住む。

田舎とは何か特に定義など無いが、これから住む土地には地域コミュニティが存在している。

実家住まいの頃は子どもだったし、自分が住む地域のことになど目を向けたことはなかった。18歳からは、アパート=「消費社会の中で商品として用意された場所」にずっと住んできた。お金を払ってサービスを受けるという単純な関係性の中に住まいがあった。誰かが用意したものを、自分は享受し続けてきただけだった。

しかし、これから住む土地は、そういう住まいではない。消費関係ではなく、人間関係で動いている地域だ。人間関係はややこしいし、複雑で面倒くさい。だけど、人間関係は暖かく、みずみずしくほっとする。

これから、初めて田舎で暮らす。

初めて人間関係の中に住む。妻と、息子と。

すごく、どきどきする。

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