【今日どう?通信】「寄付」は社会と心への投資

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今日どう?通信 2014年12月25日寄稿

まちがイルミネーションに彩られたクリスマスシーズン。皆さんのところにはサンタクロースは来ましたか?

クリスマスと言えば「タイガーマスク運動」!と言いたいところですが、覚えている方はいらっしゃいますか?2010年12月25日に「伊達直人」(タイガーマスクの主人公)を名乗る30代のサラリーマンから、群馬県の児童相談所へランドセルが送られました。これをきっかけに、全国各地の児童養護施設へ「伊達直人」の名前で寄付がと広がり、タイガーマスク運動と呼ばれるようになりました。全国に善意の輪が広がった素晴らしい運動でしたね。

一方で「寄付をした」というだけで、ここまでニュースになるということは、「日本は諸外国に比べて寄付文化が根付いていない」と指摘する人もいます。専門家の中には「日本では寄付は恥ずかしいという気持ちが出る」と指摘。実は慈善活動をしたいが、照れくさかったり、方法がわからなかったりする人が多いのではとの分析もありました。
タイガーマスク運動は「匿名」という点、そして「児童養護施設へ寄付」と慈善活動の方法までわかりやすかったからこそ、一気に広がったのかもしれません。もちろん日本人的な「祭り」の要素も多分にあったのでしょうが……。

せっかく全国に広がった「寄付」ですが、一過性のブームにしてはいけませんね。社会性の高い市民団体やNPO団体などに寄付をすることは、その活動の継続を支え、必ず社会にポジティブな影響を与えてくれるはずです。

しかし、寄付の効果はそれだけではありません。実は、最新の心理学の研究などでは、「ほかの人にお金や物を与えることにより、自分が使う以上の幸福感が得られる」ことが実証されてきました。つまり、寄付をすると自分も幸せになれるんですって!

日本初の寄付本『世の中を良くして自分も幸福に慣れる「寄付」のすすめ』では、著者の近藤由美さんが初めての寄付にチャレンジ。その体験から「良いことをしたという記憶がポジティブに働き、心が豊かになる」と語っています。誰かを助けたり、手伝ったりしたことが自己肯定感につながるというのは納得できそうな話です。

寄付と言っても、提供するのはお金とは限りません。物品や労働力、知識や専門的なスキルなどを提供するのも立派な寄付と言えるそうですよ。

「寄付をすることで社会も良くなるし、自分も幸せになれる」なんて聞くと、何だか心がほっこりしてきますね。「自分の心に投資する」。そんな寄付文化が日本にも広がりますように。

 

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