【今日どう?通信】 地域の未来は言葉がつくる

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今日?どう通信 2015年1月21日寄稿

 

「ポケットに入るラジオをつろう」という掛け声とともに世界に旋風を巻き起こしたSONY。当時ラジオは「一家に一台」くらい巨大で、家具として扱われていた時代です。ラジオがポケットに入るくらい小さくなり、一人で聞くような生活になることなど、誰も想像していませんでした。しかし、その後SONYの代名詞にもなった「ポケットに入るラジオ」という言葉が発明されたおかげで、新しい未来が訪れたのです。

これはコピーライターの細田高広氏のお話を聞いた時に教えてもらったエピソードです。なるほど、確かに昔SF小説などで書かれた世界にだんだん近づいてきている現代を見ると、まず初めに『言葉』が発明されているということは理解できる話です。

では、SONYの井深さん盛田さんが「小さいラジオを作れ」という指示を出していたとしたら……。はたして皆が「やろう!」「つくりたい!」という気になったでしょうか?多くの人の協力は得られなかったのではないでしょうか?

このように、未来をつくる言葉は、ただの言葉でなく、『人を動かす力』を持った言葉です。皆さんが市民活動や社会活動、地域活動など自分たちの活動をする中でも、『言葉で人を動かす』ことが大変重要になっているはずです。

細田氏は、日本の経営者や政治家、行政などは言葉の使い方があまり上手ではないと指摘しています。例えば「笑顔になれる社会」「豊かな暮らしを応援」「地球にやさしい」などはよく聞くフレーズですね。しかし、そこからは具体的にどんな未来を目指したいのかがイメージできません。

起業家イーロン・マスクはスペースXという宇宙開発の会社を運営しています。彼は「人類の火星移住」というミッションを掲げ、「2026年までには、スペースX社が手掛ける宇宙船で人類を火星に連れて行くことができる」とビジョンを語っています。すごく具体的かつ、イーロン・マスクの情熱が伝わってくるような言葉ですね。

逆にもし「誰もが笑顔になれる宇宙開発」「宇宙開発で豊かな暮らし」「環境にやさしい宇宙開発」と言っていたら共感できますか?果たして協力しようと思えるでしょうか?

『未来をつくる言葉』の共通点は具体的で、その未来がやってきたイメージがすぐに湧いてくる点です。細田氏はそのために「解像度」「焦点距離」「魅力」といった要素が重要だと言い、それを兼ね備えた言葉を『ビジョナリーワード』と呼んでいます。

宇宙開発のような科学の未来はもちろんですが、多くの人と動かす協働の現場だからこそ、『ビジョナリーワード』が必要になってくるはずです。地域の未来、活動の未来、身近な生活の未来を、どう語っているか、もう一度振り返ってみましょう。みなさんの魅力的な言葉ひとつひとつ積み重ねで、長岡の明るい未来をつくっていこうではありませんか!

 

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