結局フリーランスですと言ったっていずれ会社化するんじゃないの?

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先日、クラウドソーシング事業を営むランサーズ株式会社が主催する「47都道府県おじゃまします!フリーランス交流会 in 新潟」というイベントにパネラーとして登壇した。

私は2012年秋口頃からランサーズをライターとして利用させてもらい、ある程度まとまった仕事をさせていただいた。その結果、今ではライティング分野では認定ランサー(ランサーズの審査通過した最高ランク)にしていただいている。おそらく新潟ではそういうユーザーは珍しく、そのご縁で今回パネラーとしてお声がけ頂いたのだと思う。
登壇し、フリーランスに関するさまざまな質問に回答していく中で、結局フリーランスの人が「最終的に目指すのは、組織化だよな」と思ってしまった。時間や場所に縛られずに自由に働けるのがフリーランスのひとつの特徴であり、魅力であるとは言え、結局将来的にはそれを手放していく方向が一番安定すると気付く。そんなストーリーがフリーランスにはあるように感じている。
私自身、会社員と現在のフリーランスの両方を経験しているわけだが、フリーランスの方が圧倒的にデメリットが多いように感じている。メリットと言えば「ボスは自分」ということだけだろうか。
フリーランスの定義は、「組織に所属しない請負業」だ。請負業である以上、業務を回している間しか金が入ってこない。もちろん、営業、制作、総務、その他をバランスよくまわしていける人なら問題ないのだろうが、果たして何歳までそれが続けられるのだろうか?
確かに体が動く若いうちは、スキルのある人間であれば、フリーになったほうがそのときの収入は多くなると思う。しかし、年を取るにつれて体は動かなくなり、家庭や子育てによって時間確保も限定的になる。さらに言えば、企業の発注担当が若い人間に代わった場合、外注先に年上の人間と、若くて機動力があり何でも言うことを聞く人間のどちらに発注しやすいだろうか?
もちろん、年を取ってきてそうならないように、フリーランスはリスク分散を図る必要がある。
ひとつは、専門分野の絶対的存在になり、ブランド価格で仕事を得ること。仕事の単価が高ければ仕事の量が減っても対応は可能だ。しかし、価値があるということは、希少であるということ。つまり自分をブランド化できる人間は本当に一握りしか居ないということだ。
もう一つは、効率化すること。もちろん業務スピードを上げる、リピートを増やし営業効率を良くするなどで効率化ができる。しかし、最大の効率化は「分業」。つまり、人を増やしてそれぞれの業務を分業していくということになる。結局多くのフリーランスが自分で食べていくためには、こちらの手段を選ばざるをえないように思う。
仮に会社化し、その社長になったとして、そうなればかつてフリーランスとしてあった「時間や場所に縛られずに自由に働ける」環境を手放すことになる。まるで若い頃に一人でやっていた時間はモラトリアムだったかのようだ。
このように考えていくと結局、フリーで組織に属さず自由に働くということ自体、幻想ではないかとも思う。目指すべき方向は組織化なのだから。いやいや有名になって自分のブランドを作れば・・・という方もいるかもしれない。しかし、糸井重里さんのよう有名になっても結局自分の事務所を作って組織化するものだ。
こうなると、フリーランスになる人と、雇われのままでいる人との違いは「誰がボスか」、の一点につきるのではなかろうか。いずれ自分がボスになりたいから、フリーになるという決断ならわかりやすい。一人でやりたいんだ、では限界がすぐ見えると思う。
ボスになる。社長になる。いずれ人を使うんだ。そういう熱い思いを持った、ある意味では我が強い人がフリーランスになったほうが、何となく成功するような気がする。
逆に、やりたいことをするためにフリーになりたいといった場合には、企業の中にそういう場所を探すほうが道が開けると思っている。もちろんわずらわしいことも多いのは私も会社員だったのでよくわかるが、自分でやるにしたってわずらわしいことはクソみたいに多い。だったら、給料をもらいながら。仕事をしつつ、副業で。といったスタンスの方が満足度が高いような気がする。
と言うことで、私は早くフリーランスを辞めて、会社化をしたくて仕方がない。だが、なにぶん給料を支払えるほどの余裕がまだないという非常にモヤモヤした状況なのだ。こんな局面を早く乗り越えて、会社化するか。もしくは、自分がボスではない組織に所属するか。一体どうなることやら。早くOLと働きたい。今後のいちライターの行く末を生暖かく見守って欲しい。

唐澤頼充


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