9月28日から新潟市西区内野で、アートクロッシングにいがたの一環として「うちのDEアート」が開催されている。実行委員会は新潟大学教育学部芸術環境講座。2001年より大学が主体となって地域住民、役所職員と協力して継続開催してきたイベントだ。
○うちのDEアート 2013
開催期間:9/28~10/13
開催時間:10:00~18:00
料金:無料
ウェブサイト:http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~bijyutsuka/uchino/index.html
Facebookページ:https://www.facebook.com/pages/%E3%81%86%E3%81%A1%E3%81%AEde%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88/185979478231320
うちのDEアート2013では、学生やアーティストによる作品を街中に展示。また、ワークショップの開催やイベント、カフェなど気軽に参加できるイベントも同時に運営している。今年のテーマは「めくりめぐる、うちのまち。」と題し、22の企画が用意された。
私は開催初日の9月28日に参加し、ほぼ全ての作品を回らせていただいた。全ての作品を見るためには内野の街をくまなく回る必要があり、街歩きイベントも兼ねた様相となっている。作品それぞれにも、内野の歴史や文化を継承するものもあり、非常に面白く内野街を歩くことができた。
アート作品自体は、正直なところ感銘を受けるとは言えない内容のものが多かった。しかし一方でアートを街中に散りばめることで、嫌でも開催されている地域の日常が目に入る仕掛けは素晴らしいものだったと思う。つまり、街というハードに、アートというソフトを乗せたということだ。街おこしや地域イベントは、地元住民が主催となり内輪の盛り上がりだけで終わってしまうことも少なくない。その点、うちのDEアートは外部から(学生から)アートというコンテンツを調達して開催している珍しい例だと思う。地域をハードと見立て、ソフトは外部調達するという地域イベントのスタイルはこれから注目していくべきだと私は考えている。
今回のイベントでは、街を散策中に家紋を玄関先に掲げている民家やお店をいくつか見た。あとから調べると過去のうちのDEアートの企画で使ったものらしい。正直なところ作品のクオリティと、もう少し地域の顔というものが見たかった気がするが、それは引き続き継続開催していくことで改善されていくものだと期待したい。
私が巡ったアート作品の写真を掲載しておく。個人的には8番の「かくれんぼ」が本当に素晴らしい作品だったと感動した。小さな頃感じていた、「この世には目に見えない何かがいるのではないか」、という不安がよみがえってくる作品だった。
アートというのは、言葉のように「理解」するのではなく、感性や感覚、感情で「感じる」ものなのだというのが私の理解だ。その点でみると、「かくれんぼ」は私の幼い頃何となく感じていた感情を同じように思い出させてくれる作品だったと思う。
ライター 唐澤 頼充