Green Drinks 新潟内野vol.2 「石の上にも3年は本当か?~今仕事を辞めたい貴方へ~」 参加レポート

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9月23日に新潟市西区内野、ツルハシブックスさん2階にあるカフェ「イロハニ堂」で開催されたGreen Drinks 新潟内野vol.2 「石の上にも3年は本当か?~今仕事を辞めたい貴方へ~」に参加したので自身の記憶のためレポートをまとめた。

Green Drinksとは、日本中で開催しているイベントで、Green Drinks Japanのウェブサイトには下記のような説明がある。

グリーンやサステナビリティをテーマにした飲み会「green drinks」は、ニューヨーク・パリ・北京をはじめ、アルゼンチンからジンバブエまで、世界の800都市以上で開催されているグローバルなネットワークです。

それぞれの地域でユニークな活動をしているキーパーソンなど、魅力的な参加者が集まっているのが green drinks の魅力。日本でも50箇所を超え、各地のオーガナイザーや参加者同士の交流も生まれています。

年齢や職業の垣根を越え、人と人の思いをつなげる”出会いの場”を、あなたもはじめてみませんか?

http://greendrinks.jp/what_is_gd/ より引用)

Green Drinks 新潟内野はツルハシブックスが主催。
主催者の発表によると「内野は大学生の町であることを活かし、特に「働き方・生き方」というテーマを軸にしながら、毎月第4月曜日に定期開催していく予定」とのこと。

さて今回のイベントは、20名弱が参加。参加者層は若者を中心としており、学生から会社員、自営業者、転職経験者などさまざま。
イベントは前半にゲストスピーカーとしてツルハシブックス店主の西田卓司さんがスピーチを行い、後半はグループトークを行うという流れで実施された。

西田さんは、新潟大学農学部の出身。学生時代から自分で畑を手入れしていたという少し変わった方だ。
2000年に大学を卒業後、イベント会社に就職した。しかし、先輩とのトラブルから4ヶ月でクビになり退職。しばらく旅や畑作業をしながら、様々な活動に顔を出す日々。
その後、2001年にビール会社から入社の打診をされ働くも、畑の方が大切だと思いすぐに退職。自分なりの活動を続け、翌年にはNPO法人を設立。並行して個人事業主として日銭を稼ぐ日々を送っていたそうだ。

当時、サラリーマン経験がほとんどなかった西田さんは、周りから「自由でいいね」「独立していてすごいね」と言われるものの、自分の将来を考えると不安で仕方がなかった。また、友人の結婚式の二次会などで、「今何やっているの?」と聞かれたときには、「一体俺は何をやっているんだろうか」「サラリーマンという人生もあったのではないか」と自問自答したとのこと。

しかし、29歳のある日、吉田松蔭の本を再読してから転機が訪れる。決意を新たに広島へ吉田松蔭先生の墓参りに出向き、自身の方向性を再確認。迷いはなくなった。
以降、本屋という学と教え合いの場を開業、その他さまざまな活動を精力的に行っている。

そんな西田さんが今回のイベントのテーマにしたのは、ある雑誌の対談でふと思った「石の上にも3年は本当か?」というもの。サービス業が7~8割を占める現代社会で、会社員として身につく技術が社外でどれだけ通用するのか疑問を持ったのがきっかけだ。

企業寿命が年々短くなっている中、社内だけで使える能力をいくら身につけたところで、会社がなくなれば自分も食べて行けなくなってしまう。企業が教育の余裕がなくなり、ブラック企業といった人を使い捨てる会社が問題になる中で、私たちがどのような選択をしていけば良いのか?という大きなテーマが会場に投げかけられた。

西田さんが持っている重要な考えが「多数派が正しい訳ではない」、「多様な考え方や生き方がある」ということ。
石の上にも三年と言う諺がある一方で、新卒が3年以内に辞める確立が30%と言われている。少数派である離職者ではあるが、退職する選択肢も間違いなくあるのだ。

離職する際の一つの基準として「その会社で働いていることで、自分の感性がダメにならないかどうか」を挙げた。感性を殺されるような職場なら3年待たずに辞めても良いのでは、というのが西田さんの考えだ。

そして、これからの働き方の一つとして「ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 (著 伊藤 洋志)」を参考に挙げた。

ナリワイとは簡単に言うと「関心のあることを小さなビジネスにする」こと。それを複数もつことで収入源を分散さるという考え方が書かれている本だ。

一つの仕事で生計を立てるというのは、ここ60年くらいのもので、それ以前は皆がさまざまな仕事をしていた。高度経済成長期に生まれた一つの仕事だけを行う「専業」という考え方が、低成長期を迎え価値観が古くなってきており、今後は難しいのではないかというのが西田さんの考えだ。

その中で出会ったこの本を読み、自分がしていたことはナリワイ作りだったんだと感じ、感銘を受けたとのこと。確かに西田さんのこれまでのワークスタイルは、まさにナリワイ作り。実践者のひとりとして体験談を交えつつ新しい働き方の可能性が語られた。

「専業にならず、複数のナリワイをもつ生き方を目指す」そんな選択肢もあるんだという、西田さんからのスピーチで前半が終了。

このスピーチを受け、簡単な質疑応答の後、後半戦はグループトークが行われた。

「じゃあナリワイで食べられるの?」
「自分はこれがやりたいという意思や、関心事がないんだけど」
「皆が小さな家業で生きたら、日本経済はどうなってしまうの?」
「会社員をやりながらナリワイを行えるような人脈ってできないかな」
「誰もが自分で事業できるほど強くも優秀でもないよね」
「ナリワイで得られるお金は安定しないのでは」
「人脈をどう築けるかがポイントだよね」
「大企業に勤めながらナリワイをしている人を知ってるよ」
「まずは色々な人を手伝うことから始めよう」

などなど、それぞれのグループで様々な意見が活発に飛び交った。

もちろん、「正しい答え」なんてない。
皆が様々な選択肢を並べた上で、自分なりの決断をしていけば良のであるが、今回のイベントは、そのためのいろんな人のいろんな意見が聞ける貴重な場であったと思う。

私は所用のためグループトークの途中で退席してしまったので、みなさんからどのような意見が出ていたのかを最後まで聞くことができなかった。
非常に残念だったが、一方的なプレゼンではなく、異なる価値観の意見を聞けるというのがGreen Drinks新潟内野というイベントの良さだと感じた。
また、スケジュールが合えば参加したいと思う。

ちなみに、次回は10/4 19:00~ 特別編として「これからの本とコミュニティの話をしよう」というテーマで開催されるそうだ。興味のある方はぜひ参加を検討して欲しい。
申し込みはこちら→https://www.facebook.com/events/173228402863867/

ライター 唐澤 頼充

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