「畑が大きくなければいけない理由」 おおかみこどもの雨と雪に学ぶ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

先日、今更ながら「おおかみこどもの雨と雪」を観ました。
噂通りのいい作品ですね!素直に感動しました。

花が人間出来すぎているとか、解釈の幅が狭いとか、そういう批判はありますが、個人的にはエンターテイメントとしての完成度に高評価です。

さて、その中でも印象に残ったのが、

「畑が大きくなければいけない理由がわかりました」

という花のセリフとそのエピソードでした。

おおかみ男の子供を育てる花は、人目を避け田舎暮らしを始めます。
貯金を切り崩して生活していた花。
食費を賄うため、畑での野菜作りに挑みますが、都会育ちの花はうまく育てることができません。

そんな中、韮崎のおじいちゃんがじゃがいも作りをおしえてくれます。

韮崎のおじいちゃんにじゃがいも作りを教わる花は、「家族が食べる分にはこれで充分です」と畑ひと区画でいいと言います。

しかし、韮崎のおじいちゃんは有無を言わさず畑を広げるよう強制。
花も渋々その指示に従いました。

その後物語は進み、じゃがいもの収穫を終えた花。
大きな畑で作ったため、たくさん採れたじゃがいもを地域の人たちに配り歩きます。

そして、じゃがいものお返しにと、大量の大根やお米をもらう。

花は韮崎のおじいちゃんにお礼とともに
「畑が大きくなければいけない理由がわかりました」
と、伝えるというエピソードです。

畑が大きかったからじゃがいもを地域の人に配ることができ、代わりにたくさんのものをもらえたという教訓になっています。

これを見た私は、「自分が食べていける分だけは稼いでいる」という自分のスタンスを痛く反省したのです。

私だけでなく、最近は「自分たちの分」だけを確保すればOKという風潮があるように思います。

それは、社会が余裕がなくなってきたことの裏返しでもあるのですが・・・。

とは言え「社会を豊かにする」ということができなければ他人を助けることはもちろん、個人の生活を豊かにすることも難しくなってしまうと思います。

社会の豊かさとは曖昧なものではあるのですが、

「ひとりひとりがちょっと余計にがんばる」

という姿勢が大切なんだなと、このエピソードを通じて感じたのでした。

これ以外のもほっこりエピソードや考えさせるシーンが多数の「おおかみこどもの雨と雪」お勧めです。

さらに言えば、今の時代でがんばる=お金を稼ぐということに繋げがちです。
もちろん皆がたくさん稼いで、税金や寄付で所得の再分配をはかっていくというのは資本主義の理想でもあります。

ただし、そのシステムが現在うまく回らなくなっていきていると多くの人が感じているのではないでしょうか。
お金を多く稼いで、それを再分配していく仕組みが社会でうまく回らなくなってきた今、私たちはお金以外の何かを作り出していく必要があるのではないかと思います。

それが何なのかは・・・なかなか見えてきませんねぇ。
みんなが少しずついろいろと試している段階が今なのかもしれません。
社会がどうすれば豊かになっていくか、社会資本がどう蓄積されているか、私もよく考えて探求していきたいと思います。

ライター 唐澤頼充

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。