選挙への参加だけが政治への参加ではない

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衆議院選挙の投開票が近づいてくるに連れて、twitterやFacebookのタイムラインは選挙の話題が多くなってきましたね。
特に若者の政治への関心、投票率の向上といったことが目に付きますがどうも疑問に感じます。
そして、政党同士の激しい対立にもどうも疑問を感じます。

選挙では若者の声は反映されない

そもそも選挙では一人一票しか入れられません。
先日、若者の投票率を上げるために活動している学生さんと会いましたが、なぜ若者の投票率を上げなくてはいけないのか納得できませんでした。
若者の声を政治に届けるためだと説明されましたが、同世代の人口が明らかに上の世代よりも少ないのだから一人一票ではいくら若い世代が通したい政治家に投票したところで、数字の上では勝てません。
それがわかっているから、立候補者も当選のためにはボリュームが大きい世代に配慮するようになるのは当たり前です。
結論として、「若者の声を政治に届けるために、投票率を上げるようにしよう!」というロジックは納得できないのです。

政権を取るべき政党がわからない

今回の衆議院選挙の争点は景気対策や原発を発端とするエネルギー政策、TPP、消費税増税、国防問題など多岐に渡ります。
それに対して国民それぞれが100%支持できる政党はありえないのではないでしょうか?
アメリカの共和党と民主党のように支持層が全く違うため政党の政策が異なるケースはわかりやすいのでしょうが、日本のいまの課題というのは結構明確でどの政党も政策面ではほぼ同じです。
同じ政策に対して取り組むのが早いのか?遅いのか?とかいった違いしかないように感じます。
そうなると判断基準は「実行能力」になってきます。
「実行能力」で見れば現政権正当である民主党は「実行できません」ということを証明し続けてきたので厳しいと思いますし、新党も未知数。
そうなるとやっぱり自民党になるのかな~という結論になってしまいます。
ただ、ここで問題として思うのは、「同じことをするんだから政党同士で対立していないで、一緒に協力してやれよ」とか思ってしまうのです。
この政党問題は、政党ばかり気にして、自分の小選挙区の立候補者の実力や考え云々ではなく、どの政党の公認候補なのかで判断されてしまうのもなんだかなーと思ってしまうのです。

選挙なんて意味がない

繰り返しになりますが日本の取り組むべき課題というのは結構明確です。
そうなると政権をどこが取ろうと、やらなくてはいけないことは変わらないのです。
わかりやすい原発問題で言えば、いつかは脱原発しなければならないのは当然です。
そのためにどうやって次世代エネルギーに移行していくのかとかというのは、実現可能性をしっかりと検討すれば誰がやろうと最適解というのが出てきます。
結局、目新しく魅力的なマニフェストが掲げられたとしても、民主党のように「やっぱできませんでした」と現実路線に落ち着くのです。
だから、選挙で熱くなっても実際にやることというのはあまり関連性がないように感じてしまうのです。
選挙なんて結局意味がないんです。

また、例えば若者は自分たちが支持する政策を打ち出している人を頑張って頑張って当選させるというのもいいですけど、いざ当選しても、国会の多数決で政策が可決されるにはさらなる労力をかけなくてはいけません。
効率が悪すぎるのです。

別の政治参加の活路を

とは言え、政治に国民が参加しなくても良いか?と言うとそんなことは思っていません。
もっと効率の良い政治参加をする方法を見つけるべきだと思うのです。
選挙を通じて自分たちの考えを政策として実現するというのは、はっきり言って効率が悪いのです。
それであれば、既に当選している人に自分たちの考えを伝える場を作るほうが手っ取り早いはずです。
政治家も人間です。
直接会って、自分たちの現状と解決への方針案をしっかりと伝えれば納得してくれる可能性が高いはずです。
選挙というのは、「これをやります!」という人たちに賛成!と伝えるだけです。
そうではなく、日本を良くしようと思っている人たちに、「これをやってほしいんです!」と伝えることが求められているのではないでしょうか?
いつまでも賛成反対と言っている政治参加ではなく、
「私はこういう問題を抱えているんだけど」「私はこう思うんだけど」という生の意見を伝えられるような政治参加をしていくべきではないでしょうか?
だから、投票率を上げよう!と頑張っている人たちは別の方法で頑張ってくれた方が効率がいいので、ちゃんと考えてやってください。

ライター 唐澤 頼充

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