ゲスト小林弘樹さんと企画者の山田愛さん |
11/3にCafé Copocopo(http://cafecopocopo.niiblo.jp/)(ツルハシブックス2Fhttp://tsuruhashi.skr.jp/)にて開催された小林弘樹さんのトークイベントを聞いてきました。
今回のイベントは大学生の女性が企画されたもので、インタビュー形式で小林さんに迫るというものでした。
このイベントの内容を自分なりにまとめてみた。
インタビュー雑誌「LIFE-mag.」
LIFE-mag.最新号 |
「LIFE-mag.」(http://www.life-mag.com/index.html)は
〝ノンジャンルのローカルインタビュー誌。芸術・芸能、政治、産業、宗教、学術など多様なテーマでインタビューを展開。各地域を訪ね歩き、多様な生き方を聞き書きし、発信する媒体。「生き方の多様さこそが、その街の豊かさ」がモットー。靴底をすり減らし、各街々を歩き、取材編集中。”ホームページ等より
といったコンセプトで小林さんが一人で取材をし、編集をし、デザインをし、広告営業をして出版している雑誌です。
この9月に発行されたvol.5は佐渡にフォーカスし、全編佐渡の方のインタビューを掲載しています。
インタビューされるのは一般的には無名の個人。
その方々のこだわりや想いを丁寧に拾い上げ、長い時には7ページにもわたって雑誌に掲載しています。
LIFE-mag.のはじまり
この雑誌を作り始めたきっかけは、小林さんが社会人になってから自分と同じような人間にしか会わなくなってしまったということだそう。
「新潟には絶対にもっと面白い人がいるはず。」
その確信めいた想いはあるけれど、知る手段がないというジレンマから雑誌「LIFE-mag.」の構想を固めていきます。
そして3年勤めた会社を退職。
これまでインタビュー、編集、デザイン、写真など、雑誌を作るための知識や経験はゼロ。
最初にしたのはパソコンの購入だったそうです。
それでも小林さんの情熱はそれらの障害を上回り、退職後わずか4ヶ月程度でLIFE-mag.の創刊号の発行を果たしました。
有機的に広がる人的ネットワーク
取材を始めて感じたのは、「やはり新潟には面白い人、すごい人がたくさんいる」ということだったそうです。
そして、そういった人を様々な人が紹介してくれたそうです。
そのつながりはジャンルを超え、土地を超え、どんどんと広がっていきました。
広がる取材対象の追い風を受け、小林さんはvol.2、vol.3、vol.4と次々と発行。
ご自身のスキル向上もあり、雑誌のクオリティもどんどん高まっていったところだったと思います。
雑誌も1号発行すれば1,000部はすぐに売れていく状態だったそうです。
しかし、一人出版社の挑戦に高いかべが立ちはだかります。
3年間の休刊
「財布にもう小銭しかない。」
その時に小林さんが下した決断は再就職することでした。
資金が立ち行かなくなり、生活のため苦渋の決断をしました。
続けることの難しさを感じつつ、「2度目の社会人生活は充実した中でもどこか、負い目と後悔にとりつかれた日々だった」と小林さんは語ってくれました。
読者はもちろん、これまで取材を受けてくれた方、いろいろな人を紹介してくれた方、応援してくれている周りの人に申し訳ない気持ちでいっぱいだったそうです。
再起を図るきっかけとなったのは、燻る情熱を胸に抱えたまま過ごす中で何度も声をかけてくれたLIFE-mag.を応援してくれていた人からの叱咤激励だったとのこと。
再び火のともった心は、休刊期間に授かった子ども、父になったという守りに入ってしまいそうな立場になっても止まりませんでした。
復刊!そしてこれから
3年間。
「これ以上期間を開けてしまったらもう自分には雑誌は作れない。」
もう自分の気持ちに嘘をつけないと、2012年1月に小林さんは再刊を決意します。
同年4月から取材・編集を再開し、今年9月に佐渡編を発行。
次号は燕三条を特集する予定だそうです。
再び小林さんは街に生きるひとりひとりにドラマがあり、素晴らしい想いがあることを私たちに伝え続けてくれます。
課題は以前も大きな壁となった事業化。
夢を追うものの共通する大きな課題。
絶対に乗り越えて欲しい。
小林さんが休刊していた3年間で特にインターネットの世界は大きく変わりました。
ソーシャルメディア、クラウドソーシング、クラウドファンディング。
認知度を広げる。お金を集める。そのための選択肢は確実に増えていると思います。
だからきっと乗り越えてくれると信じています。
そして今年6月に会社を辞めフリーで活動している僕も、夢と生活の両立をしっかりと果たしたいと改めて強く思ったトークイベントでした。
また、今度小林さんの事務所にお邪魔していろいろとお話させていただきたいです。
LIFE-mag. 本当にいい雑誌です!!
後半は参加者でライフシェアワークショップが開かれました |
からさわ