ウィーク・タイの維持拡大こそがソーシャルキャピタルの形成となる

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ソーシャルメディアや個人メディアが発展している中で、「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」を充実させることが重要視されています。
ソーシャルキャピタルとは簡単に言うと人々が持つ信頼関係や人間関係のことです。

Facebookやtwitterの普及により、リアル世界での人間関係をデジタル空間で維持することが可能になりました。
人の人生とは社交の体験が大半を占めています。
その社交の世界がデジタル空間へ広がったことで私たちの人生は大きな変革を迎えていると言う話は様々なところで耳にするのではないでしょうか?

貨幣資本と社会関係資本

貨幣経済が世の中を支配している現在、「すべての行為に価格を付ける」といった行動が進んできました。
私たちの生きている社会では価格のつかない行為というものが非常に少なくなっています。
その中で、私たちは貨幣資本を最大化するために生活を費やしてきました。
結果、生活のほとんどにお金を払うこととなっています。
もちろん貨幣経済が拡大している最中はそれは生活を確実に快適性をもたらしていました。
しかし、経済が縮小している現在、お金では解決できない課題が社会にはあふれています。
その解決策のとして注目されているのが社会関係資本・ソーシャルキャピタルです。
つまりはお金で解決できない部分、または経済が縮小する中でお金が足りない部分をソーシャルキャピタルにより補うという役割を担っているのではないかと考えます。

ストロング・タイとウィーク・タイ

ソーシャルキャピタルの話になると必ず、ストロング・タイ(強い関係性)とウィーク・タイ(ゆるやかな関係性)という話が上がります。
ストロング・タイとは家族や親戚、親友、会社などでの人間関係こと。
ウィーク・タイとはその外側のもっと疎遠な人間関係のことです。
現代は家族などの血縁、地域共同体、会社などストロング・タイと言われていた中間共同体が弱体化しているという話はよく聞くと思います。
ストロング・タイは日本経済がまだ弱かった時期に社会的包摂性を支える大きな役割をになっていました。
しかし、貨幣経済が拡大していく中で、価格の付けにくい中間共同体は衰退していき、貨幣による弱者への支援という形に変わっていったように思います。
現代になり、経済が冷え込む中、貨幣による社会的包摂力が弱まってきたことを受けて中間共同体が崩壊したことが社会的に大きな打撃となっています。
古き良き時代といって中間共同体を懐かしむ声が聞こえるのもそのためです。
だからといってストロング・タイをもう一度取り戻せるかというとそれは難しい話になってくると思います。
そのような中で、社会的包摂の役割を担うと期待されているのが、インターネットの登場とソーシャルネットワークの発達により力を持ち始めたウィーク・タイです。

ネットが強化したウィーク・タイ

twitterやFacebookをはじめとしたソーシャルネットワークの発達のおかげで、これまではフロー型になりがちであったウィーク・タイが、ネット上にストックできるようになってきました。
ゆるやかな関係であった人たちとのネットワークが維持されるようになった結果、新しい人脈形成の形が起こっているように感じます。
一度しか会ったことない人と、Facebookでつながっていたことで仕事になったといったことを私も経験しています。
これまで親密な人間関係の中でしか頼めなかったことも、ネット上で不特定多数に助けてもらうことも可能になりました。
これは、確率の問題だと私は考えているのですが、何か頼み事をする時に引き受けてくれる確率は当然ストロング・タイの方が高いわけです。
ネットが普及する前までは、頼むという行為自体に時間的制約があるため、当然確率の高いストロング・タイに頼むのが合理的だったわけです。
しかし、ネットワーク上で一度に多数の人間関係に依頼をすることが可能になった結果、ウィーク・タイの中から助けて貰えることが出てきたということです。
その結果、濃い人間関係で恩義を感じるよりも、後腐れの少ないゆるい関係性の人間に依頼を頼む方を選択することができるようになりました。
かつ、ストロング・タイが崩壊している現代社会では、このようなウィーク・タイとのネットワークが社会的包摂を担う役割を持ってきたと感じています。

ウィーク・タイの維持・拡大に必要なこと

このようにウィーク・タイが自身の生活をより豊かにしてくれる可能性を広げてきています。
これまでもストロング・タイよりもウィーク・タイとの関係性の方が、革新を得やすいと言う話はされてきましたが、ますますウィーク・タイの重要性が増しているように思います。
つまりは、ウィーク・タイを維持・拡大することがソーシャルキャピタルを形成することと言えそうです。
いかに緩やかな人間関係を拡大していくのか、維持していくのか、こういった議論が今後ますます活発に行われるでしょう。
ウィーク・タイの拡大については、きっと皆が今後拡大させたいと望んでいるため、ソーシャルメディアを活用していれば自然と広がると思います。
重要なのはウィーク・タイが自分を助けてくれるような状態を維持することです。
それは、これまでの人間関係と変わらず、基本的には「価値」を提供し続けることで、私が役に立つ人間であることをアピールし続けることだと思います。
Facebookに自分が食べた物の写真だけ上げている人と、ちょっと役立つ情報やノウハウを上げてくれる人と、どちらが助けたいですか?という話です。
合わせて重要なのは「評判」です。
「この人はこういうことが出来る人だ」、「この人はこんなことをしてくれた」、「この人とこんなことを成し遂げた」といった話題がソーシャルネットワーク上で流通することでウィーク・タイの中でも信頼が生まれるのです。
「価値」を提供し続けること、「評判」になることで自身の形成しているウィーク・タイがより良質になるのです。

ソーシャルキャピタルを形成し自身を守る

お金の重要性というものが薄れるということは考えられませんが、これだけ経済成長の展望が暗い中で、お金で全てを解決するということは難しくなってきていると思います。
そのような中、自身を救うための資本としてソーシャルキャピタルを形成することは非常に重要なことだと感じています。
有名になったり何かを成し遂げたりで一気に注目を集めソーシャルキャピタルを形成することはできますが、誰もができることではありません。
であれば良質なウィーク・タイを維持・拡大していくことに注力することこそが一般人である我々のできる最良の一手であると思います。
私がブログやtwitter、facebookをやっているのもそういった理由からです。
コネと言うとイメージがあまりよくないですが、ウィーク・タイというコネクションを増やしていくことこそがソーシャルキャピタルを蓄積することとなり、自身の生活を守る武器になるのではないかと思います。

是非、ソーシャルキャピタル形成のための手法等を皆さんで考えていきましょう!

からさわ

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