こんばんは、からさわです。
横浜DeNAベイスターズが、5月1日~6日の本拠地6連戦で、”お客様の満足度”によってチケット代が変動する「全額返金!?アツいぜ!チケット」という企画を実施しています。
試合を観戦したお客様が、心にアツいものを感じたかどうかでチケット代金が変動するという企画です。
基本価格は4,000円ですが、試合後にお客様は自己申告で、勝った試合は半額まで、負けた試合は全額をキャッシュバックするという仕掛けになっています。
チケット販売数は各日50枚6日間合計300枚という限定販売ですが、球界初の試みとして注目が集まっています。
ソーシャルゲーム会社の手腕はいかに!?
昨年末にモバゲーで有名な携帯電話向けゲームサイト運営大手のディー・エヌ・エーへの買収が正式に承認され話題になったベイスターズですが、その運営手腕が注目されています。
そのような中、練習見学シートや球団専属ダンスチームと踊れるdianaダンスチケット、新マスコット登場、横浜スタジアムでの大規模合コンなどさっそく様々な集客企画を実施しています。
その中でも今回の返金保証付きのチケットというのは面白い取り組みだと注目しています。
近年、経営やマーケティングの世界で「ゲーミフィケーション※」が注目される中で、本物のゲーム会社が野球というコンテンツをどう魅力的にマーケティングしていくのか目が離せません。
返金保証はマーケティングの常套手段
今回横浜DeNAベイスターズが企画した返金企画は、マーケティングの世界ではリスクリバーサルと呼ばれる手法です。
お客様が商品やサービスを購入する際に負うリスクを提供者側が負うという考え方です。
今回のケースでは野球のチケットを買ったけれど試合が面白くないかもしれないというリスクを取り除く仕掛けになっています。
大人数を集める分、球団側のリスクは大きくなりますが、新規客や休眠客をスタジアムに足を運ばせると言う意味では非常に有効な取り組みだと感じます。
特に、野球やサッカーなどのスポーツは、応援しているチームが勝てば満足度は高いし、負ければストレスを抱えるなど満足度に波が起きやすい商品です。
商品の特性を考えてもこのマーケティング手法との相性は抜群のように感じるので、成果を楽しみにしたいと思います。
完封負けに返金コーナーに20人超
5月1日の試合では、今季9度目の完封負けに返金チケットで観戦した観客が返金を求める行列を作ったそうです。
しかし「返金したから失敗」と考えるのは早計です。
もし、この観客が返金制度なしで観戦していたらどうなったでしょうか?
試合内容に落胆し、二度とスタジアムに来ないかもしれません。
返金という行為で少しでもストレスを吐き出せたのなら、次はがんばれと来てくれる可能性も上がります。
全額返金を求めた方もいたそうですが、4000円のうち3000円返金してもらった方もいたそうです。
その方は「三塁も踏めないし当然。ベイスターズファンだから少し払ったけど、学生なら全額返金を求めたかも」と語ったとのこと。
スタジアムに空席があるよりもこのような制度を利用して少しでも足を運んでくれるファンがいれば球団も成長すると思います。しかも無料チケットよりも遊び心があります。
今後は返金だけでなく、買った場合のチップ等も仕組み化していくともっと面白くなっていきそうです。
さらには選手の年俸等と連動させたりと、試合の質をあげる工夫もされていけばますます盛り上がるのではないでしょうか?
今後の横浜DeNAベイスターズのマーケティングに注目したいと思います。
からさわ