地方

「田舎暮らしの本」で話題にならない新潟県。もっと新潟県のことを伝えられる人を増やしたい

㈱宝島社が発行する雑誌「田舎暮らしの本」。2015年2月号で、「日本住みたい田舎ベストランキング」という特集が組まれている。

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少子高齢化社会、人口減少問題に喘ぐ日本。国土交通省は、50年後には全国6割の地域で人口が半分以下になると予測している。地方の「消滅」が現実的に迫ってきている中で「移住者」の確保は打開策の一つだ。三菱総合研究所によると現在、移住者の潜在規模は、具体的に計画があるのは40万人強、なんとなく移住を考えている層は400万人強にも上る。実際の移住者の7割近くが50歳以上であるが、潜在的な移住希望者の中には若者や子育てファミリー層も多いという。

そんな重要な移住したい地域ランキング。

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私の出身である長野県伊那市が「子育て世代にぴったりな田舎部門」の第1位に輝いた。行政の支援はもちろん、小学校の「総合教育」を始めとした独自の教育が評価された結果のようで、伊那市で教育を受けた僕はとても誇らしい。

12月27・28・29日と帰省していたのだが、改めて「いい土地だなぁ」と感じる機会が多かった。

その話はまた改めてするとして、問題は新潟県。

宝島社の独自調査、独自基準とは言え、トップ50に入った市町村はゼロ!!

首都圏からのアクセスも良く、「米どころ」と知られ、にいがたイナカレッジ(http://inacollege.jp/)といった特徴的な取り組みも行っているにも関わらずこの存在感のなさに衝撃を受けた。同時に、ライターとして活動しているにも関わらず、このような企画で出版社が新潟県のことを調べる際に「唐澤さん、新潟の移住状況ってどんな感じですか?盛り上がってますか?」などと声がかってくれればよかったのだがそれもなく。結果的に、新潟の魅力を全国雑誌に発信なかった事を非常に反省している。

これを受けて僕の中で、今年取り組みたい目標ができた。

新潟県の存在感をもっと高めていくことはもちろん、誰かが「新潟県の特集を組みたい」と言った時に、「はい、私書けます!」と言える人たちをもっと増やしていくということだ。

今の僕ができることは、具体的には、情報発信は「にいがたレポ」(http://niigata-repo.com/)で。新潟のコンテンツを作れる人は同じく「にいがたレポ」に参加している市民ライターさんのレベルアップと市民ライターを増やすことだ。それと同時に他の団体、それこそイナカレッジさん等と連携して「もっと新潟県のことを伝えられる人」を増やして行きたいと思う。

東京の雑誌社や出版社、各種メディアが、私に声を書けてくれれば「新潟県のあらゆるコンテンツが制作可能ですよ」「こういう書き手を紹介できますよ」と言えるようになりたいと強く思っている。だから市民ライターには主婦も、学生も、会社員も、プロも、あらゆる人に参加してもらえると嬉しい。

情報提供者を含め、幅広い協力者を募集しているので、ぜひ手伝って欲しい。

 

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そして、もう一つ衝撃だったのは、田舎暮らしの本に友人の「嘉向徹」くんが載っていたこと(笑)彼のトールシェアリングにもご注目下さい。

 

地方活性化・地方創生は都会や世界に「売る」ことでは成し得ないと思う。

 

アベノミクスが行き詰まりを見せていると言われている。僕はそうとも思わないんだけど、まあ景気回復の実感や賃金への影響など直接自分の恩恵になっていないという点で、不満があるようだ。その中でも地方のあり方については、非常に注目されている。なにせ、少子高齢化・人口減少により2040年までには全国1800市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測まで出ているのだから地方自治体は気が気ではない。そこで期待を寄せるのがアベノミスクの中の「地方創生」だ。

 

といっても僕は地方創生のプランについて目を通しているわけではないのでその中身は分からない。けれど、たまたま仕事で高知県の移住について書く機会があり「高知県産業振興計画」を読んでいる。高知は全国よりも10年少子高齢化が進んでいるそうで、さらに一人あたりの収入も全国最下位クラスと県内市場の縮小が止まらない日本の中でもヤバイ地域だそうだ。だからこそ移住促進にも積極的だという。そんなやばい高知県の経済を何とかしていこうという「高知県産業振興計画」なわけだが、その中に「地産外商」という言葉が大きく出てきて、これに非常に引っかかっている。

 

「地産外商」といっても別に新しいものでもなく、どこの県もやっている「地元のものを県外に、世界にどんどん売っていこう!」という取り組みだ。地方活性化やら地域おこしやらで絶対に出る取り組みで、「良いものはあるのにPRがヘタで売れていない」「今は海外で日本文化が評価されているから海外にも販路を」というのはお馴染みの光景だ。

 

この外商は間違いじゃないんだろうけど、僕は何だかなぁと思ってしまう。誰も違和感を感じないのだろうか?

 

というのも「地方で作って外で売る」の仕組みの代表例というか一番儲けられたものに「原発」がある。

「原発」は電気を地方で作って、消費地に売っている。リスクもあるから補助金もジャブジャブでその自治体は大いに潤う。

さてここで疑問。原発を建てた地域は元気になったのか?活性化されたのか?

正直なところ僕はよくわからない。けれど、直感的に「別に豊かになっていない」と思う。いくら都会にモノを売って、稼いでも、その地域が豊かになったかというと、う~んどうだ?と思ってしまう。だって原発を建てた自治体が超ハッピーで人がどんどん流れこんで行ったりとか、幸せな生活を送っているとは僕は聞いたことがない。もちろん生活は保証され、収入も多く、金銭的に裕福なのかもしれないが「その地域に魅力があるか」と聞かれたら、鼻くそをほじって「別に」と答えたくなるほど興味が無い。

 

これは結構根源的な問題んだと思うのだが、あんまり指摘する人がいない。つまり「いくら都会に売って儲けても地方は豊かになるわけではない」って話。これは原発だからそうってことは絶対なくて、米だってそうだ。「魚沼産コシヒカリ」を作った地域は活性化したのかを振り返れば誰もが「あれ?」と疑問を持っていいはずだ。そんなに都会に売ることに必死になってなんかいいことあるの?一番売上上げた原発誘致した地域は幸せになったの?って聞きたくなる。

 

ようは、都会に消費(=購買力)を取られたままでは資本主義の中で地方は豊かになれない。購買力をどうすれば取り戻すことができるのか?というのが資本主義の中では本当に地方が考えなきゃいけない問題ではないかと思うのだが、あんまり言っている人がいない。何で地方の政治家や経済人、市民活動家含めて、そこを考えないで「いいものが知られていないからもっと都会や世界に売ろうと」躍起になっているのか僕は不思議でしょうがないのだが。まぁ経済人や政治家は目先の利益も大事なので仕方がない部分もあるが、市民活動家とかはもっと真剣に考えたほうがいいと思う。

「原発で地方で電気を作って東京に売って幸せになりましたか??」と。

 

とは言え、僕も代案を出せず思い悩んでいる状況。消費を取り戻せ!(=購買力をつけろ)というのは簡単だけど、それは資本主義のルールに則って「地方も都市化せよ」と言っているのと同義で、それではこれからの時代、何も幸せになれないし、そもそも無理なのはわかりきっている。

ただ、社会の何かを変えることで地方優位になる気がしているのは確かで、そこがモヤモヤしてここ数年ずっと気持ち悪い。価値観なのか、指標なのかわからないけれど。地産外商ではない新しいやり方がどこかにあると思うんだけどなぁ。

誰か教えてください。