街も、SNSのタイムラインも、選挙の話題で溢れかえっている。
そんな中、多くの自称「若者応援おじさん」達が、「選挙にいけ!選挙にいけ」と叫んでいる。「若者は政治に興味がなさすぎる!それは思考停止させるための教育の罠だ!」と。
特にfacebookに多く生息する陰謀説おじさんたちの話は本当に下らないわけで、「お前は何と戦っているんだ?」と心配になってしまう。
でも、おじさんも若者も結構本気で「選挙で自分たちの意見を通すんだ!」「政治参加しろ」と言っているのを見て、僕は「この人達馬鹿なのかな?」とイライラしてしまう。
すぐにイライラするのが僕の欠点だ。
ただ、選挙は冷静に人口分布をみると、若者にとってはほぼ勝てない戦である。第一に人口構成比が違う。数で勝てなきゃ選挙で勝てない。次に、一票の格差も若者にマイナスに働いている。都市部の一票は地方に比べて軽いという格差だが、当然高齢化やらに悩んでいるの地方には高齢者が多く住んでおり、若者の多くが都会に居る。
人口でも劣るし、一票の価値も若者の方が低い。
果たして、こんな必ず負けるゲームで戦う必要があるのだろうか?
そんな中で、「でも関心持たないと何も始まらないからやるんだよ!」と選挙に行くことだけを強調するおじさん。それに「そっかー」と乗っかる若者。彼らだってかなりの思考停止ではないか!
若者に「政治に興味を持て」おじさんは、ちゃんと考えて、選挙以外の政治参加手段をしっかりと提示し、勝てる戦略を練った上で発言をしたらいい。
若者が政治で勝てる戦略。その中の一部に選挙があり、投票にどういう意味をもたせるのか。そしてどうすれば若者の声が届けられるか、しっかりとゴールまで設計図を描いて「勝てるから選挙いこう」「意見が通るから選挙いこう」と誘う大人が本当に若者のことを考えている大人だ。
ちなみに個人的な意見では、
立候補を出す→選挙戦→当選だけが政治参加じゃない。
むしろ、すでに当選した人にロビー活動をしかけていく方がずっと大事だと思うし、若者向けの政策を通すことができる可能性がおおいにある。(逆にそれしかないとも)
と思っている。
政策提言とまでは行かないまでも、有力な議員に「票数」や「統計」ではない生の声と、改善案や希望する政策を届けることはできる。
その場やパイプを作ったりするのが、本当に政治を変えたり若者の声を届けたいと思っている大人の役割ではないか。そして「選挙」はその活動を宣伝して若者の関心を集める機会だと割りきって行うのがいい。
若者に大事なのは「ロビイング団体の作り方」とか「ロビー活動のしかた」とかだ。
「選挙に行け」とだけ言っている大人は、自分が若い時だって何の政治的影響力がなかったくせにちょっと年を取っているからって先生ずらして語りたがる「おじさん」の典型だ。「負け戦」も必要とは頭が湧いているのではないか?「勝てる可能性」を追求して「負けた」からこそ価値があるのに、負けも経験と最初から言ってちゃあどうしようもない。
とか、手段はいくらでも考えられるのに負け戦に突撃せよ、負けを経験せよ、というのは、思考停止ではないだろうか。