批判では前に進めないから、新しく作ろう。「スマホが人間をダメにする」という批判に対する批判

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先日といってもちょっと前ですが、Facebook上で何人かがこの記事をシェアしていたので、私も思うことを書こうと思いました。

「スマホが人間をダメにする」
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2013/02/post-628.php

インターネット時代、スマートフォン時代になって、我々はいつの間にか、以前にはなかったような無礼ではしたない振る舞いをするようになった。~~

結論から言いますと個人的にはこの記事は気に入りません。

使い古された批判

技術革新が起こった際にはこういう批判はすべからくされていたと思います。

印刷技術が登場した際は、「人の話を聞かなくなる」「物事を覚えなくなる」馬鹿野郎!と批判されたと聞きます。
電話が登場した時も、直接人に会わないなんてなんという無礼か!と。
テレビが登場した時も、自分から情報を取りにいかず、与えられるものを見ているだけなんてダメだ!!と。

でも今どれも人間の生活を豊かにするツールとなっている気がします。

新しい便利さはほんとうに「人間をダメにする」のか?というのを疑ってみるのもよいのではないでしょうか?

今の価値観が絶対ではない

この記事で私が不満なのが、「今の価値観がすばらしい」という前提です。
この前提の「今」ですら、一昔前から見ればとんでもない非常識だったはずです。

僕はこういう過去を美化し、技術を憎み、便利さを貶め、今の人間をクズ扱いする論調はけっこう嫌いです。
人間なんて昔からいままでずっとくだらないと思うのです。
スマホの登場でダメになる!?もっと前からダメだろ。と。

だから、ダメダメ言っているんじゃなく。
この技術を使ってどういう素晴らしい価値観が作れるか?をもっと論じるべきだと、こういう記事を読むたびに感じてしまいます。

あと、今回の記事にある消費者批判に対しては、別の見方もできます。
ショールーミング?お前の店がただ商品並べているだけで顧客と話もしねーからだろ!!と。
値段しか選ばれる要素がないからだろ。
値段高いのは搾取してるんじゃね―の?とかね 笑
見方を変えればいろいろな受け取り方ができるものです。

新しい価値観や常識を提案しよう

僕は技術が発展しているからこそ、人間関係や魅力が大切な時代になっていると思います。
なんでも透明になってしまう世の中だからこそ、
粗がすぐみえてしまう世の中になったからこそ、
本当の人間関係の大切な人間くさいいい時代になると思います。

生活スタイルを変える技術が世の中に広がった際には、このような「常識がない。」「節度に欠ける」といった批判がつきものです。
でも生活スタイルは過去には戻れないし、確実に変わっていくのです。

だったら、「昔に戻れ!」じゃなくて新しい生活スタイルに新しい魅力的な価値観をどう提案するかを考えるほうが建設的だと思います。

「常識がなくなった」「古き良き日本の価値観がうんぬん」などの不満を言う前に、
新しい生活スタイルの中でのあるべき常識や価値観をいかに新しく構築していく必要があるのではないでしょうか?
既存の常識を維持しろでは難しいと思いますので、
どういう価値観を持って挑めばいいのかというところだと思います。

ちなみに、僕は最終的には「損得勘定」かな。と思います。
昔の人が礼儀が良かったと言われているのも礼儀がしっかりしていればその分ムラ社会の中で評判が上がったりという「得」があったからだと思うのです。逆に礼儀がなければ損したり。
今の時代、どうすれば「得」ができるのか、どうすると損なのかをしっかりと再定義していく必要がありそうです。

ライター 唐澤 頼充

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コメント

  1. Anonymous より:

    スマホは人間を退化させる。<br />過剰な便利さは間違いなく人間を退化させる。<br />

  2. 唐澤頼充 より:

    コメントありがとうございます。<br /><br />私は過剰な便利さは、新たなる“暇”を生み、その余剰時間が別の価値創造へ向かうと思います。<br /><br />本来飛べなかった人間が飛ぶことができるようになった。<br />「飛行機」が人を退化させたのでしょうか?<br />

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