にいがたレポ

2015年のテーマ。「巻き込む」

2015年が始まって早くも1週間が経とうとしている。時の流れは年々早くなる一方で、気づいたらもう今年で30歳になる。三十路と言えば、昔はずいぶんと大人なんだろうと思っていたが、結局大人になれないままこの歳になってしまった。いや、そもそも「大人」という生き物自体が幻想で、人間はそう変わらずいつまでも自分勝手でわがままで自制心のない子どものような動物なのだろうと思う。

 

さて、新年を迎え色々と自分がしたいことを考えていたわけだが、なかなか思い浮かばなかった。そんな中、無理矢理にでも絞り出して考えてみた。「2014年を振り返る」でも書いたが、2012年6月に会社を辞めて以来、フリーで仕事をしてきていろいろと思うことがあった。一番は、そもそも僕はフリーランスになりたかったのではなく、どちらかと言うと、仲間と一緒に仕事をする「会社」を作りたかったし、いろんなメディアに書くよりはひとつのメディアを育てる仕事がしたかった。だから、今年は一人で頑張るよりも、もっともっと多くの人をどんどんと巻き込んで「協働」していきたいと思う。

 

2015年はいろんな人を「巻き込む」年にしたい。

 

母体となる活動は2013年12月に一人で立ち上げたウェブマガジン「にいがたレポ」。このサイトは地域に住む住民が自ら市民ライターとして新潟の魅力を発信するメディアで、希望者で50名以上の人が立ち上げからの1年でライターになりたいと手を挙げてくれた。2015年は市民ライターの人数も、投稿数も、もっと多くの人を巻き込み増やしていきたい。さらには、他団体も巻き込み情報発信を強化していきたいと思う。

 

にいがたレポをやっていて思うのは、地方や地域で「情報発信しています」という人の多くが「ニュース」「告知」ばかりを発信しているのではないかということ。「情報」と「読み物」は根本的に違う。「ニュース」と「読み物」と言ったほうがいいかもしれない。地方には「読み物としてのコンテンツ」が、とても少ない気がしているのだが、どうだろうか。

 

これは「行動型メディア」と「消費型メディア」とも言い換えられるかも知れない。「行動型メディア」とは、実際に消費者の行動を促す例えばホットペッパーのようなメディア。お店に来てもらったり、イベントに参加してくれたり、商品を買ってくれたりといった消費者の行動につながるのが目的の情報発信だ。チラシや広告、告知記事、クーポン雑誌などがこれにあたる。一方、「消費型メディア」はコンテンツそのものが消費される、言い換えれば暇つぶしの情報を扱うメディアだ。例えば映画はコンテンツそのものが消費されるので、映画館は消費メディアとなる。文芸雑誌もそうだ。LIFE-magのようなインタビュー雑誌もこれに当たる。

 

僕はこの不足していると感じる「読み物としてのコンテンツ」を配信する「消費型メディア」として「にいがたレポ」を、いろんな人を巻き込みながら育てていきたいと思っている。そして、「読み物としてのコンテンツ」を生産できる人材をどんどんと増やしていきたい。ゆくゆくは「新潟県のことなら、あそこに頼めばコンテンツ化してくれる」と思われるような編集プロダクションになればいいなぁと妄想している。

 

で、他人を巻き込むにあたって何が重要かと考えると、ひとつはマメな「コミュニケーション」。これは大変苦手分野。僕は人にお願いしたりやる気にさせたり、連携したりというのがあまり得意でないと自覚しているのだが、それも徐々に克服していきたいと思う。もう1つは、「お金」だ。お金はコミュニケーションをショートカットできるツールなので、これがあるとコミュ症でも人にお願いが簡単にできる。そして活動を継続していくためにもお金は大変重要だ。人に動いてもらう時間を確保する意味でも、お金というのは結構重要だと思う。僕はお金が欲しいほしいと思っているが、理由はもっといろんな人と一緒に活動したいからで、そのためにはやっぱりお金がいる。ちゃんとお金も回せるようになることが「巻き込む」立場としての責任のひとつだと僕は考えている。

ということで、この2つをバランスよく活用し「巻き込む力」を育てていきたいと思う。どうなるかは、わかりませんがね(笑)

 

2015年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

「田舎暮らしの本」で話題にならない新潟県。もっと新潟県のことを伝えられる人を増やしたい

㈱宝島社が発行する雑誌「田舎暮らしの本」。2015年2月号で、「日本住みたい田舎ベストランキング」という特集が組まれている。

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少子高齢化社会、人口減少問題に喘ぐ日本。国土交通省は、50年後には全国6割の地域で人口が半分以下になると予測している。地方の「消滅」が現実的に迫ってきている中で「移住者」の確保は打開策の一つだ。三菱総合研究所によると現在、移住者の潜在規模は、具体的に計画があるのは40万人強、なんとなく移住を考えている層は400万人強にも上る。実際の移住者の7割近くが50歳以上であるが、潜在的な移住希望者の中には若者や子育てファミリー層も多いという。

そんな重要な移住したい地域ランキング。

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私の出身である長野県伊那市が「子育て世代にぴったりな田舎部門」の第1位に輝いた。行政の支援はもちろん、小学校の「総合教育」を始めとした独自の教育が評価された結果のようで、伊那市で教育を受けた僕はとても誇らしい。

12月27・28・29日と帰省していたのだが、改めて「いい土地だなぁ」と感じる機会が多かった。

その話はまた改めてするとして、問題は新潟県。

宝島社の独自調査、独自基準とは言え、トップ50に入った市町村はゼロ!!

首都圏からのアクセスも良く、「米どころ」と知られ、にいがたイナカレッジ(http://inacollege.jp/)といった特徴的な取り組みも行っているにも関わらずこの存在感のなさに衝撃を受けた。同時に、ライターとして活動しているにも関わらず、このような企画で出版社が新潟県のことを調べる際に「唐澤さん、新潟の移住状況ってどんな感じですか?盛り上がってますか?」などと声がかってくれればよかったのだがそれもなく。結果的に、新潟の魅力を全国雑誌に発信なかった事を非常に反省している。

これを受けて僕の中で、今年取り組みたい目標ができた。

新潟県の存在感をもっと高めていくことはもちろん、誰かが「新潟県の特集を組みたい」と言った時に、「はい、私書けます!」と言える人たちをもっと増やしていくということだ。

今の僕ができることは、具体的には、情報発信は「にいがたレポ」(http://niigata-repo.com/)で。新潟のコンテンツを作れる人は同じく「にいがたレポ」に参加している市民ライターさんのレベルアップと市民ライターを増やすことだ。それと同時に他の団体、それこそイナカレッジさん等と連携して「もっと新潟県のことを伝えられる人」を増やして行きたいと思う。

東京の雑誌社や出版社、各種メディアが、私に声を書けてくれれば「新潟県のあらゆるコンテンツが制作可能ですよ」「こういう書き手を紹介できますよ」と言えるようになりたいと強く思っている。だから市民ライターには主婦も、学生も、会社員も、プロも、あらゆる人に参加してもらえると嬉しい。

情報提供者を含め、幅広い協力者を募集しているので、ぜひ手伝って欲しい。

 

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そして、もう一つ衝撃だったのは、田舎暮らしの本に友人の「嘉向徹」くんが載っていたこと(笑)彼のトールシェアリングにもご注目下さい。

 

情報の流通量が地域の豊かさにつながる

(2014年1月14日の記事を修正し再掲:元記事

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まちの豊かさとは、情報流通量の多さであるとも言える。京都が、歴史があり、今も人気がある都市である理由のひとつは、どんな時代でも京都に関する情報の流通量が多かったからではないだろうか?

例えばAKB48のことを私はよく知らない。しかし、ニュースやネットコミュニティなどで話題になっている=情報量が多くなっていると盛り上がっているのだと思ってしまう。

もちろん、これらには元々あるコンテンツが持つ魅力が不可欠だと思う。しかし、情報の流通量が多いがゆえ、注目が集まり、コンテンツが育てられてきたとも言える。

このことから「新潟が豊かなまちになるためには?」の問いに対して、ひとつの回答として、「情報の流通量を増やす」ことが挙げられる。もちろん、中央メディアで話題になるに越したことはない。しかし、新潟県内だけでも地元情報の流通量が多ければ、新潟のまちはにぎやかになると思う。自分の住む地域の情報量が多い、それだけでそこに住む人の心の豊かさにつながるのではないだろうか。

かつては、情報発信者には一部の人しかなれなかった。しかし、今はインターネットという無限の空間に、誰もが情報を発信することができる。しかもほぼ無料で。

だからもっとインターネットに新潟人がたくさん情報を流すべきだと、私は考えている。ソーシャルメディアでも良いが、できれば蓄積するようなブログ、ホームページなどが良い。メディア側の人間だけでなく、市民がもっともっと自分のまちのいいところや面白いところ、楽しみ方を発信していくことで、まちの豊かさにつながると思う。

しかし、世界中に情報を届けられるインターネットは、誰にも見てもらえない可能性がある。誰にも見てもらえなければ情報は存在しないも同然だ。

また、読者が少ないということは、情報を発信し続ける上でのモチベーションに大きく影響する。誰にも見られていないのに、情報を発信し続けるのは苦行以外の何者でもない。

とは言え、一般の人がネットで注目を集めるのには技術がそれなりにいるし、サイトを育てていくのにも手間がかかる。だから、ふつうの市民が、多くの人に情報を届けられるプラットフォームが必要だと考えた。

「ネットに新潟の情報を増やし、蓄積する」「ふつうの人が発信力を持てるプラットフォームを作る」この2つを考え、「にいがたレポ」(http://niigata-repo.com/)と言うサイトをはじめた。

 

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