本日は高校サッカー選手権大会の準決勝2試合が行われました。
今大会は注目のタレントを擁するチームがほぼ敗退し、チーム力が高い高校が勝ちあがってきた印象です。
日本の課題と言われ続けている、「練習では世界レベルだか試合でそれを活かせない」ということが改善されてきたように感じます。
日本のサッカーレベルが向上してきた指標の一つとして海外で活躍する選手が増えて来たことが挙げられます。
■急増する海外組。高まる日本の評価
昨年のW杯でベスト16に進出して以来、日本の若手選手の海外移籍が急増しています。
移籍した選手も、香川選手を始め、本田選手、長友選手、内田選手、阿部選手、川島選手、吉田選手とそれぞれ所属チームの主力として活躍し、日本人選手の評価はまさにウナギ登り!
日本人のテクニック、スピード(アジリティー)は世界でも通用することを証明しました。
特に活躍している選手は、幼少時にJリーグが既にあり、物心ついたころにはW杯に日本が出場している世代で、世界を目指すのが当たり前だと思っている世代です。
閉塞感のある日本社会の中で、海外で戦っている若者には勇気を与えられます。
■土台はJリーグ
日本人が世界で活躍できる背景には、やはりJリーグのレベルアップがあると思います。
海外サッカーが普通に見られる時代になってきて、「Jリーグはレベルが低くて面白くない」と言った意見も聞かれますが、私はそうは思いません。
その根拠は、Jリーグに移籍した外国人選手がそろって「Jリーグはスピードが速い。」と言い、そのスタイルに馴染めない選手も多いことです。
ドルトムントで活躍する香川選手は、Jリーグにいたころは、上手いがスピードが売りの選手とは言えませんでした。しかし、ドイツではそのスピードが最も評価されています。
シャルケの内田選手も、世界でもスピードが売りと言われるリベリーやロッベンと言った選手と互角以上に戦えています。
また、川崎フロンターレにいたチョン・テセ選手は、Jリーグ時代そのフィジカルが売りでしたが、ドイツに行った途端スピード系の選手として活躍しています。
つまり、Jリーグは世界屈指のスピードを持ったリーグとも言えるのではないでしょうか?
我々はもっとプライドを持ってJリーグを楽しんでみる必要があるように思います。
■人材の流出問題
しかし、これだけ日本人選手が海外流出してしまうと、国内のレベルは大丈夫なのか?と心配になってしまいます。
特に問題なのは、国内チームに移籍金をほとんど残さずに海外流出しているケースが大半だと言うこと。
ビジネスモデルがまったく成り立っていないので、国内クラブが人材を流出させるだけで終わり、お金が残らないという結果になっています。
これは、移籍制度が改正されてから国内移籍でも問題になっており、早急に改善しなくては国内リーグ自体が持たない状況になる危険があります。
これだけの不況の中、スポンサー料だけでJリーグの発展は望めず、海外移籍は海外リーグからマネーを獲得する大チャンスだと言うのになかなか上手く行きませんね。。
新たなビジネスモデルの構築は、Jリーグの生き残りのためにも急務です!
■外国人枠の増加を求む!
国内の人気選手やトップクラスの選手が海外流出している現在、リーグのレベルを維持するにはやはりレベルの高い海外選手で補てんするしかなさそうです。
位置づけとしては「アジアのサッカー選手見本市」。
Jリーグで活躍すれば、ヨーロッパへの道が開けるといったモデルです。
現在の外国人枠は、3名+アジア枠1名ですが、アジア枠をなくし5~6名に変更しても良いのではないかと思います。
海外選手によって、レベルの維持を図り空洞化を防ぐとともに、Jリーグの放映権を海外へ売るきっかけにもなるのではないでしょうか?
ただ、日本人の国民性として外国人ばかりの地元チームを心から応援できるか?という課題はありますが、6名くらいまでなら大丈夫な気がします。根拠はないけど。
それにJ2も充実してきている中、日本人選手があぶれるってこともないと思います。
■まとめ
そんなこんなで、現在日本サッカー界は良い流れの中にあると思いますが、この時期に国内リーグの構造改革を行い、きちんとしたビジネスモデルを考えなくては、逆に衰退する可能性もあると思います。
これまで、チーム数の増加を方針にしてきたサッカー協会も方向転換を迫られています。
目の前のチャンスを逃さず、チャレンジして欲しい。
そして、閉塞感のあるこの国に一つの夢を与えて欲しい。
そう思って今年のリーグ開幕を楽しみにしています。
からさわ