新潟の野菜ソムリエ山岸さん(@irodorieye)が企画していらっしゃる「新潟やさいじく」に初参加してきました。
やさいじくは、「なぜ、新潟の野菜はおいしいのか?」語れるベジタブルスピーカーにあなたもなれる!をキャッチコピーに、
新潟の農業、野菜に携わる「じく」になる人材を育成し、仕事を生む本気の塾。です。
参加者は農家から主婦まで幅広く、いろいろな人がいて面白い会になっていました。
1時間目「有機野菜の嘘、ホント」
1つめのセッションは野菜ソムリエの木村さんが「有機野菜の嘘、ホント」というテーマで語ってくださいました。
木村さんは有機野菜を信仰しているわけではなく、農薬、化学肥料に対しても否定的ではないそうです。
というのも、日本の野菜を全て有機で作ると、取れる量は2~3割になってしまい、そうなると値段がバカみたいに高くなってしまうからだそうです。
そもそも、日本の有機野菜のシェアは0.16%しかなく、だからレストランの有機野菜表記はほとんど嘘!!らしいです。
そして、以下のような有機野菜の嘘を教えていただきました。
・有機野菜の方が美味しいのは嘘
日経レストランに普通の栽培(慣行栽培)と有機野菜を目隠しでシェフにどちらが美味しいかテストさせたら慣行栽培されたものの方が美味しいと選ばれた。
どちらが美味しいとは一概には言えない。
・虫がついてるから安全というのは嘘
有機野菜でもいい野菜は虫はつかない。付くのは中途半端な野菜。
・変な形の野菜が美味しいというのは嘘
形が綺麗なものの方が美味しい。人間と同じで健康優良児は形も綺麗で虫歯もない!
・ゼロリスクの食べ物はこの世にない
塩は体に必要だが、食べ過ぎれば毒。農薬の使用の有無よりは鮮度や、信頼できる農家かどうかを選んだ方が良い。ヨーロッパの調査では、死ぬリスクは、タバコは1/200、飲酒1/250、農薬1/10000。
・有機野菜は農薬を使っていないというのは嘘
有機野菜農家でも隣の農家が農薬を大量に使っている可能性がある。影響はあるはずだがそれでも有機野菜として出荷される。
有機野菜は使っていい農薬が20~30ある。使用回数にも制限がない。
また、合わせておいしい野菜の選び方も教えていただき非常に参考になりました。
2時間目「トマトの美味しい秘密」曽我農園 曽我新一さん
2つめのセッションはインタビュアーにヒーロズファームの高澤さんを迎え、野菜ソムリエサミットで大賞2部門で受賞した曽我農園さん(http://sogafarm.main.jp/)のトマトについてお話をお聞きしました。
曽我さんは、2006年から就農され、情報発信を続けたことでファンを増やし、超高付加価値のトマトを作られていることで有名です。
本も執筆されていたそうです。
インタビュー内容は全て文字起こししているのですがここでは割愛。
(希望者にはテキストデータをお譲り致します)
印象的だったのは、トマトそのものだけではなく、自分をキャラクター化することでただの高付加価値ではなく超高付加価値というポジショニングを取られたことでした。
そのキャラで一番刺さったのは曽我さん自身がトマトが嫌いで自分の作ったトマトを食べたことがないというストーリー!
一見嘘のようですが・・・どうなんでしょう?(笑)
それでも、自分が食べられないからお客さんの反応だけを参考にして作ってきた自己満足ではないトマトというのはインパクトがありました。
実際にトマトを持ってきていただいて食べさせていただいたのですが、ため息が出るほど美味しいトマトでした。
3時間目 ワークショップ
最後のセッションは野菜ソムリエの山岸さんファシリテーションの元、4人ひと組みになり、ワークセッション。
農産物の価値についてをベースに議論を行いました。
どのような体験を消費者が持つことで、農業の価値理解と同時に十分なお金を払ってくれるのか?を議論しました。
なかなか難しいテーマでしたがさまざまな意見が飛び出しました。
例により発表内容は割愛させていただきます。(こちらもテキストデータありますので希望者にはお送りいたします。)
思った以上に、いろいろなクラスターの人が真剣に農業のことを考えているとしれたのは良かったです。
高付加価値化は戦略の一つですので、もちろん逆のコストリーダーシップを取ることもできると思いますので、すべての農家が高付加価値を目指さなければならないというわけではないので、このセッションの議論が全てではないですが皆で農業について真剣に考えるという意味では非常に充実した時間を過ごせました。
やさいじくに出て
今回で3回目のやさいじくは、参加者が増えてきたこともあり会場を大きな会場に移して開催されました。
この会に20名以上の方が集まっており、農業、ひいては地域を豊かにしていくという意識を持っている人がこれだけいるのかと体感できました。
今後は、こども向けや、主婦向けなど様々な展開をやってくれそうな気がしたので、今後の展開を楽しみにしています!
個人的には今まで食べたことのなかった曽我農園さんのトマトを、曽我さんの顔を見ながら、こだわりを聞きながら食べられたことが一番嬉しかったです。
山岸さん、今後とも継続開催頑張ってください!!
からさわ